こんにちは。重野佐和子です。
大腸がん術後の暮らしについて、質問をいただくことが、よくあります。
その多くが、「ガンは怖くないですか?」というもの。
今日は、不安とどう向き合うか、について、私が思っていることお話ししますね。
大腸がん手術後は、ガンよりベン
私が大腸がんの手術を受けたのは、 2001年1月のことです。
手術の後、絶望の淵にいたかというと、そうではなく…
わたくし必死の極みにおりました。
症状が出てから告知、手術までの時間があまりに短かったので、
絶望なんて感じる間もありませんでした。
今なら内視鏡で摘出できたかも知れませんが、
その当時は、私の癌の大きさだと開腹しなくてはなりませんでした。
直腸手術だったこともあり、退院して間もなくは、がんの恐怖よりも排泄の恐怖(笑)
私は腸の動きが極めて悪かったので、
「腸閉塞になったらどうしよう…」と、こればかり考えて生きていました。
腸閉塞予防のため、歩くこと、食べること、食べたら出すことに1日を費やし、
早くおなかの傷がキレイに治ってくれることと、 その日を無事に過ごすことだけを考えていました。
けれどしばらくして、ハタと、やっと気づいたのにです。
「お腹の痛みより、ガンが大変なんだ。」
がんになると、すべてが不安の種に
そしたら途端に、考えのベクトルが変わってしまった。
おなかがピキッと痛むと「大腸がん再発だ!!」
頭が痛いと「脳転移だ!!」
のどが痛むと「喉頭がんだ!!」と大騒ぎ。
あるとき、喉の奥に変なできものを発見し、不安で不安で
「私はのどにも腫瘍ができてしまいました」と主治医に相談しました。
主治医は「その確率は1%未満ですが…、
喉頭外科の診察を一応受けてみましょう」と言ってくれました。
すぐに診察を受けると喉頭外科のドクターは
「これは扁桃です。誰にでもあるものですよ。
こんな奥まで、よく鏡で見ましたね。すごいですよ~。
でも疲れるから、もうやらなくていいですよ」
と、ニコニコして肩をポンポンたたかれました。
私はずっとずっと不安だったので、そのできものが腫瘍ではなくて扁桃で、
ものすごく安心のを覚えています。
厄介なのは、がんの見えない恐怖
こんな風に、がんって見えない恐怖(再発・転移)がつきまとう病気ではないかと思います。
それは患者本人だけでなくて家族もおんなじ。
親に至っては、本人よりも恐怖が大きいかも…。
理屈ではわかっていても、その恐怖は簡単にはぬぐえない。
じゃあ、どうしたらいいのか?というと、
その恐怖を増大させないことが大事なのではないかと思うのです。
・「大丈夫?大丈夫?」とか、むやみに心配をする人や
・「私なんてがんになったら生きていられない~」とかいうデリカシーのない人や
・健康自慢や健康オタクの人と会うと疲れる。
闘病中は、まさに今病気と闘っている人と会うとのも、しんどかったりする。
逆に私に元気をくれたのは、
・いつも面白くって笑ってる楽しい人
・つべこべ言わない冷静な人
・美味しいもの食べるのが好きな人
・散歩に嫌な顔せず付き合ってくれる人
お笑い番組や格闘技や、大食い選手権とかのテレビも よく見ました
ようするに。
病気のことを忘れる時間を多く過ごすことで、
がんへの恐怖を感じる機会を減らしていったように感じます。
がんと闘うには「自分の指針をもつと楽」になる
とはいえ検診前はドーッと憂鬱になったり感情の起伏が激しくなったり、
自分ではコントロールできないときもありました。
だから私、信じられる指針を持つことが大切だと思うのです。
私の場合、それは食事療法でした。
術後3か月~3年は、乳製品と動物性食品を絶ちました。
なぜかというと、
大腸がん再発リスクを上げることを避けたかったから。
突然再発恐怖を抱いてから、いっぱいいっぱい、それはいっぱい
がんに関する本や資料を読みました。
あまりに情報が多いので
1.商売っけのある情報は信じない
2.新しい論文発表に一喜一憂しない
3.対がん協会などの信じられる資料のみを信じる
そして、「大腸がん再発リスクを上げると示されることは、やらない」と決めました。(破ってもよいイレギュラールールも設けて・笑)
すなわちこれは、「リスク上げることやってないから、私、大丈夫!!」という気持ちを持っていくためでした。
例えば生姜やにんにく、きゃべつなどアブラナ科の野菜を毎日食べたのも
乳製品を絶ったのも、米国対がん協会の発表を信じようと考えたからです。
なんでもいい。
闘病には信じられるものが、必要だと思うのです。
とはいえ、いまだがんの再発を予防できる食事療法は誰も確立しておらず、
偏った食事方針を避けてほしいというのが基本。
でもただひとつわかっていること。
大腸がんの再発リスクを上げる確定因子は、肥満。
(ウェートコントロール必要♪)
要するに。
何を食べたら再発するとかしないとかは、まだわかっていない。
不安だから、恐怖があるから、
多くの人が健康食品や食事療法をやってみたくなる。
がん患者の抱く見えない恐怖って、
すぐ近くにある「底の見えない深~い穴」みたいなもの。
底が見えない穴は、誰だって覗かずにいられない。
覗いてあたりまえなのではないかと、私は思うのであります。
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腸活料理研究家/CafeRicoLABO代表 重野佐和子
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